茨城県行方市は、立教大学観光学部、道の駅いたこ、株式会社JCBトラベルとの連携により、食品ロス削減と地域資源の有効活用を目的とした「さつまいもあん」を開発しました。
この商品は、行方市を代表する農産物であるサツマイモを使用していますが、通常出荷されないふぞろいのサツマイモを有効活用しています。品質は高いながらも見た目が規格外のため、これまで廃棄されてきたサツマイモを、新たな価値を生み出す食材として再評価した点が大きな特徴です。
立教大学観光学部の学生は、「旅行産業演習1」の授業で、行方市の現状と課題について学び、フィールドワークを通じて「出荷されないサツマイモを価値ある食材として再評価する」というアイデアを考案しました。このアイデアは、行方市まちづくり推進機構、株式会社JCBトラベルと連携し、商品化に向けて具体化が進められました。
「さつまいもあん」は、パンやスイーツ、和菓子など幅広い用途で楽しめる万能ペーストとして、家庭での食事から高級料理まで、多彩なシーンで活用できます。行方市のふるさと納税返礼品として、また、道の駅いたこでも販売される予定です。
行方市では、今後も関係者と連携し、持続可能な社会づくりに向けた取り組みを推進していくとしています。
今回の「さつまいもあん」開発は、産学官連携による地域活性化の成功事例と言えるでしょう。食品ロス削減という社会問題への取り組みと、地域資源の有効活用という課題解決が、学生の斬新なアイデアと地域関係者の熱意によって実現しました。学生たちの創造性と地域関係者の連携により生まれた「さつまいもあん」は、行方市の新たな名産品として、地域経済の活性化に貢献すると期待されています。また、この取り組みは、食品ロス問題や地域資源活用の課題に対して、官民学連携による具体的な解決策を示すモデルケースとして、他の地域にも広がっていく可能性を秘めていると感じます。