2024年06月29日更新

稲葉陽八段、開幕戦を制す！伊藤匠叡王を破り二回戦へ

将棋日本シリーズJTプロ公式戦一回戦第一局が6月29日に行われ、稲葉陽八段が伊藤匠叡王を144手で下し、二回戦進出を決めた。次戦は永瀬拓矢九段との対戦。両者のコメントや対局のハイライトを紹介。

目次閉じる

稲葉陽八段、開幕戦を制す！伊藤匠叡王を破り二回戦へ

稲葉陽八段、開幕戦を制す！伊藤匠叡王を破り二回戦へ

6月29日に行われた将棋日本シリーズJTプロ公式戦一回戦第一局で、稲葉陽八段が伊藤匠叡王を144手で破り、二回戦進出を果たしました。

稲葉八段は後手番で早石田と呼ばれる三間飛車を採用。一方、先手の伊藤叡王は序盤から積極的に仕掛け、独特の展開を見せました。

中盤は互いに譲らず、じりじりとした展開が続きましたが、120手目に稲葉八段が馬を切って攻め込み、徐々に優勢に。最後は伊藤叡王の粘りも見られたものの、稲葉八段が冷静に寄せ切り、勝利を収めました。

対局前、稲葉八段は「伊藤叡王は序盤の研究が深いので、そこで立ち遅れないようにしたい」と語り、伊藤叡王は「稲葉八段は早見え早指しの実力者です。時間の短い棋戦で決断力が必要になると思いますが、内容の良い将棋をお見せできるよう頑張ります。」と意気込みを語っていました。

勝利後の稲葉八段は「後手番で早石田は珍しいかもしれませんね。自玉が7一なのでひやひやしていました。」と振り返りつつ、「次またもう一局指せるので、それが一番うれしいですね。」と笑顔を見せました。

解説を務めた戸辺誠七段は「稲葉八段の振り飛車が実現してホッとしました（笑）。伊藤叡王が仕掛けた局面で早めに封じ手にしたのは、先輩棋士のアドバイスがあったからで、いいところで出せたのかなと。感想戦で伊藤叡王が『31手目は▲7七角でしたか』と言っていましたが、それなら難しい将棋でした。38手目△6六飛と先手の角と切り違えて振り飛車ペースになったと思います。」と、両者の棋譜を詳細に解説しました。

次戦は、二回戦第一局で永瀬拓矢九段と対戦します。稲葉八段は「永瀬九段は強い相手ですが、自分の力を発揮できるよう頑張りたいですね。」と意気込みを語っています。

将棋日本シリーズJTプロ公式戦は、プロ棋士にとって名誉ある棋戦であり、ファンにとっても楽しみなイベントです。今回、稲葉八段が伊藤叡王を破り、開幕戦を制したことは大きな話題となりました。

両者のコメントからも、この棋戦への強い意気込みが伝わってきました。稲葉八段は伊藤叡王の序盤研究の深さ、伊藤叡王は稲葉八段の早見え早指しの実力を警戒していました。

対局は終盤まで白熱した展開となり、見ている方も手に汗握る展開でした。稲葉八段の勝利は、冷静な判断力と持ち味の攻めの姿勢が光った結果と言えるでしょう。

今後の展開が楽しみな将棋日本シリーズJTプロ公式戦。次回の対局も注目です。