混合教育・生活療法を提供する武蔵野東学園と武蔵野東教育センターについて。
自閉症の児童と健常児が共に生活することで評判を得ている幼稚園・小学校・中学校・高校が、武蔵野市の「武蔵野東学園」である。
学校外部にも生活療法を提供する場として開かれた、武蔵野東教育センターについてまとめてゆく。
自閉症の児童と健常児が共に生活することで評判を得ている幼稚園・小学校・中学校・高校が、武蔵野市の「武蔵野東学園」である。
学校外部にも生活療法を提供する場として開かれた、武蔵野東教育センターについてまとめてゆく。
自閉症の児童と健常児が共に生活することで有名な武蔵野東学園
総合学校法人である武蔵野東学園
学校法人武蔵野東学園は、自閉症の児童と、健常児が共に生活する学校運営で知られています。
武蔵野東第一・第二幼稚園、武蔵野東小学校、武蔵野東中学校、武蔵野東高等専修学校の学校と、
武蔵野東学園独自の自閉症療養プログラムを外部に提供する療養武蔵野東教育センターを運営しています。
自閉症の児童と健常児童の混合教育
自閉症の子どもと、健常児が共に生活する混合教育で知られる武蔵野東学。
個性・特性の異なる友だちと自然に触れ合うことで、学力だけでなく思いやりを持った豊かな心を培います。
多様性を重んじる現代において、重要な感性になってくると思われます。
自閉症の子どもは混合教育の中で健常児の他者と関わり、生活の中で自然と他人への関心が生まれることで、社会性を身に着けてゆくことができる(生活療法)として、高い評価を得ています。
特にハーバード大学教授ジェローム・ケーガン博士が来校した際に関心を持ち、アメリカで武蔵野東学を紹介したところ、混合教育を提供する学校の要望があったといいます。
そのことからボストンに姉妹校、ボストン東スクールを開校するなど、武蔵野東学が提供する混合教育と生活療法は、日本国内外から評価を得ている教育システムです。
武蔵野東学園の自閉症療法を外部へ提供する武蔵野東教育センター
混合教育の中で社会性を育む生活療法
自閉症の子どもは、幼少期に他社への関心が著しく低く、特定の物事に強くこだわり、関心のないことには一切見向きもしないといいます。
そのことから躾が思うようにいかないことが多く、排泄、食事、着替え、就寝などの基本的生活習慣が身につかないこともあるようです。
健常児と共に生活すること(混合教育)と、「体力づくり」「心づくり」「知的開発」に重点を置いた「生活療法」によって、武蔵野東学園は自閉症の子どもに社会性を身に着ける教育を行っています。
体力を発散させる運動によって生活リズムを整え情緒を安定させ(体力づくり)、集団生活のなかで聞き分け力を培うことで他社へ関心を向けさせ協調性を身に着け(心づくり)、教師が指導を与えて学力を身に着ける(知的開発)といったメソッドが、武蔵野東学園独自の生活療法です。
武蔵野東学園のメソッドを外部でも 武蔵野東教育センター
武蔵野東学園が運営する武蔵野東第一・第二幼稚園、武蔵野東小学校、武蔵野東中学校、武蔵野東高等専修学校では合計1509名在学しており、自閉症の子どもがその内521名を占めています。
武蔵野東学園の学校に通っていなくても、武蔵野東学園の生活療法を受けることができます。
それが、武蔵野東教育センターです。
武蔵野東教育センターでは発達が気になる子ども達のための療育・研究機関として、2歳~高校生までの子ども達を対象とした多種多様な療育プログラムを随時提供しています。
武蔵野東教育センター 総勢26名の専門スタッフ
在籍スタッフの保有資格
武蔵野東教育センターには総勢26名の専門性の高いスタッフが在籍していて、子どもはもちろん、保護者のケアまで丁寧に幅広いサポートを行っています。
療育活動・保護者支援活動・支援者育成活動・広報活動・研究活動に重点を置く武蔵野東学園教育センター
武蔵野東教育センターの主な活動は、療育活動・保護者支援活動・支援者育成活動・広報活動・研究活動です。
療育活動
武蔵野東学園の「生活療法」を外部にも提供する活動です。
児童の年齢に合わせたプログラムを用意しており、教育センターにいは2024年度で634名も登録児童がいます。
保護者支援活動
家庭内教育は、子どもを育む基盤です。
保護者を対象とした勉強会、個人懇談、教育相談などを実施し、個々の子どもに応じた家庭での教育方法や接し方などの質問に対応しています。
支援者育成活動
教育・心理・医療・福祉関係の各分野の専門家を招き、保護者・支援者向けセミナーを開催しています。
保護者としては子育ての実践に役立つ情報が、教員・福祉施設などの職員にとっては日々の支援業務に直結する内容となっており、子育てのスペシャリストを育てるための活動です。
広報活動
ニュースレターやホームページなどを通して、子育てや学園の情報を発信しています。
自閉症の児童の療育に関するシリーズ書籍の発刊も行っています。
研究活動
姉妹校であるボストン東スクールや、大学研究機関との連携を強化し、子育てに関する研究活動を行っています。
ボストン東スクールとは、定期的にリサーチミーティングをし、研究活動の進捗状況などの情報交換を行っているようです。
「得意を伸ばす」武蔵野東学園教育センターの療育プログラム
武蔵野東教育センターの自閉症の療育プログラムは、日常生活や学習の悩み、言葉の遅れ、学校や幼稚園・保育園での友人とのトラブル、不登校など、さまざまな問題を抱えている、2歳~高校生までの子どもです。
発達障害、自閉スペクトラム症、ADHD、LDなどの子ども達と、診断の有無に関わらず発達が気になる子どもたち達が対象で、子ども一人ひとりの個性を理解し、内在する力を引き出して能力の向上を図り、一人ひとりが社会で幸せに生きていくことができるよう指導することを目指しています。
幼児向け療養プログラム
2歳~年長の子どもまでを対象とした療育プログラムで、公認心理師や言語聴覚士等の資格、教員免許を持った専門スタッフが、小集団または1:1の個別指導で、個々に合わせたきめ細やかな指導を行っています。
小集団で園を想定した活動を行い、認知の向上や集団でのルール、対人関係のスキル等を学ぶ「スクールプログラム」や、「親子教室」、「親子体操教室」、教育を行う「ラーニングプログラム」、言語聴覚士による1:1の指導「言語プログラム」、「キッズアート教室」などがプログラムに盛り込まれています。
小学生向け療養プログラム
小学1年生~6年生を対象とした療育プログラムで、公認心理師や言語聴覚士等の資格、並びに教員免許を持ったスタッフが、小集団または1:1の個別指導で、個々に合わせたきめ細やかな指導を行っています。
小集団で学校を想定した活動を行い、学習能力の向上や集団でのルール、対人関係のスキル等を学ぶ「スクールプログラム」や、認知や学習能力を高める個別指導「ラーニングプログラム」、言語聴覚士による1:1の指導「言語プログラム」、「体育教室」、生活の充実、職業選択のツールとしてパソコンを使いこなせるようにするための「コンピュータ教室」、「ダンス教室」、「ソーシャルスキル(SST) 教室」、「音楽教室」、音楽やリズムに合わせて楽しく体を動かす「リトムーブ教室」、「自転車教室」などが設定されています。
中高生向け療養プログラム