成田空港の隣に新たなグローバルシティ・ゲートウェイ成田が誕生。2027年3月に一部開業を目指す。
成田国際空港からほど近い小菅地区に、最先端テクノロジーを駆使した商業・文化・ビジネス・観光の拠点となる新たなグローバルシティ・ゲートウェイ成田の建設が進んでいる。2024年5月、成田国際空港付近の詳細な土地活用が盛り込まれた成田市マスタープランが発表された。「ゲートウェイ成田」について解説してゆく。
成田空港の隣に新たなグローバルシティ・ゲートウェイ成田が誕生。2027年3月に一部開業を目指す。
成田国際空港からほど近い小菅地区に、最先端テクノロジーを駆使した商業・文化・ビジネス・観光の拠点となる新たなグローバルシティ・ゲートウェイ成田の建設が進んでいる。
2024年5月、成田国際空港付近の詳細な土地活用が盛り込まれた成田市マスタープランが発表された。
注目のプロジェクト「ゲートウェイ成田」について解説してゆく。
ゲートウェイ成田構想の経緯について
成田空港の北西に隣接する小菅地区に「日本が世界に誇る商品・サービス・ビジネス」を発信する新たな街を計画するといった「ゲートウェイ成田」構想。
マスタープランにおいて都市デザインを担当したのは、NYの設計事務所ラグアルダ・ロウ・アーキテクツである。
同事務所共同代表の重松健はこれまで、アメリカ・日本・中国・ブラジル・韓国・ウルグアイ・ポルトガル・カザフスタン・イタリア・ハンガリー・スペイン・ドイツなど、世界25ヵ国でマスタープランから複合施設の建築設計までを担当してきた。
日本国内では、グランベリーパーク、豊洲ららぽーと、たまプラーザ駅、渋谷駅などを設計してきた実績を持つ。
ゲートウェイ成田の予定地は現在既に造成中であり、今後はマスタープランに基づいてインフラ計画に着手、2025年9⽉までに建築着⼯が可能な状態に仕上げる計画だという。
2025年9⽉〜10⽉に建築着⼯、2026年12⽉までに⼀部の施設は竣⼯し、2027年春には商業施設、エンタメ施設の⼀部を開業する予定となっている。
ゲートウェイ成田の概要について
ゲートウェイ成田プロジェクトは、日本の玄関口である成田国際空港付近の敷地面積約45.6万㎡の土地に、日本の文化やビジネスを世界に向けて発信する拠点を創り出すといった事業である。
ゲートウェイ成田は、「デジドームをランドマーク」にしたビジネスとエンタテインメントが融合する新たな街として、グルーバススペックな街づくりを目指す。
飲食・物販ゾーンだけでなく、海外へ向けたビジネスの拠点として国際展示場やコンベンションセンターが配置され、「世界で一番ビジネスしやすい街」 を目指す。
ゲートウェイ成田のランドマークとしては巨大なデジタルドームが誕生し、海外アーティストを招いたイベントや、企業のプレスリリースなどが可能となる。
ゲートウェイ成田の施設について
マスタープランにおいて発表されたゲートウェイ成田の施設は、商業複合施設、ランニングトラック、デジタルドーム、ホテル、冷凍貯蔵倉庫、フードテックR&D開発拠点(国際展示場、国際会議場、キッチンスタジオを含む)バスターミナル、駐車場棟等で、新たな観光・ビジネス・文化の拠点として年間集客400万人を目標としている。
あらゆるテクノロジーを集積したゲートウェイ成田では高品位な8K・4K映像ソリューションを活用したデジタルアーカイブを提供することができるため、日本各地の景勝地や祭りなどの「ありのまま」の観光体験を訴求し、デジタルツーリズムの活性化へ繋げる。
今後はメタバース技術も導入し、より没入感のあるコンテンツ提供を目指していく。
さらに世界のインフラ技術を集積し、エネルギー問題・ゴミの回収、場内の移動⼿段等のインフラは今後のメガトレンドを踏まえ、ゴミの回収~循環に関わる業務の大部分を自動化する予定となっている。
こうした技術は少子高齢化が進むと予測される世界の都市において、「模範」となる可能性を秘めている。
ゲートウェイ成田のデジドーム活用について
ゲートウェイ成田のランドマークとしてデジドームの建設が決定している。
先にも触れたようにこのデジドームでは、日本の文化を発信するデジタルコンテンツの配信の他、国際会議の開催、海外アーティストにおけるイベントや企業のプレスリリースにも活用される予定である。
このデジドームの映像は、デジホテルに設置された大型ディスプレイでも楽しむことができる。
デジドームの前例として、ロサンゼルスにあるMSG Sphere(※以下、スフィア)がある。
スフィアは、2023年に総工費23億ドルをかけて建設された巨大デジタルドームであり、ドームの外側にも液晶設備が整っているためドーム内外のどちらからでも幻想的なライトアップが楽しめる。
ゲートウェイ成田のデジドームはスクリーン面積6000㎡、客席数5000席超アリーナを備え、圧巻の解像度で映像を映し出すLEDスクリーンが使用されることで、ラスベガスのスフィアにも劣らない水準となることが期待される。
さらにAIロボット対話や、メタバース上でのアバター制作体験のほか、シアター⼊場前には4D技術による次世代のエンターテイメント体験も実現する見通しだ。
スピーカーは特定の方向に音を飛ばせる仕様のため、伝わる言語をエリアによって区別することも可能となっている。
エンタメの聖地・ラスベガスで味わうような興奮を、日本の成田でも体験できるようになるかもしれない。
ゲートウェイ成田の観光拠点・食文化拠点としての役割について
ゲートウェイ成田の構想をみて感じるのは、フードテック関連の設備が充実しているということである。
フードテック企業のためのテストマーケティングレストラン、配信広告に活用できるキッチンスタジアムと研究開発施設、さらには国際展示場が設けられ、世界へ向けたマーケティングが可能となっている。
国内の優れたフードテック企業を誘致し、日本のフードバレーを目指している。
ゲートウェイ成田の飲食エリアについて
ゲートウェイ成田が日本のフードバレーとなることを実現するために、フードテック企業の研究開発施設やテストマーケティングレストラン、配信を目的としたキッチンスタジアム、国際会議場が設置されることになっている。
国際会議やカンファレンスはデジドームでも開催可能となっており、フードテック企業の新商品開発をデジドームで発表し、デジドームの屋外から、料理の匂いがしてきて、ドーム外では料理を食べることができる、といった五感で楽しめるプロモーションも可能。
飲食エリアのレストランは、全面2500㎡の巨大スクリーンが設置されているため、日本食文化を海外に発信していくようなテストマーケティングレストランの役割も果たすだろう。
ゲートウェイ成田内のフードテック企業の研究開発施設と連携し、新鮮で健康的な日本食を提供してゆく。
ゲートウェイ成田の環境問題への配慮について
ゲートウェイ成田は環境問題においても世界の模範となるような設計が組み込まれている。
ゲートウェイ成田の敷地全体で雨水を回収・ろ過し、植栽への散水などに再利用できる設計となっており、これにより上下水道にかかる負荷を減らしすことができるとともに、電力と温室効果ガス排出を削減することが期待される。
さらに、混雑や待ち時間の問題を解消するため、各所にグローバル言語対応のコンシェルジュを配置する。
状況はスマホなどのデバイスでも把握できるようにし、混雑ポイントの可視化によって、スムーズな行動が可能となる。
ゲートウェイ成田の基本概要について