週末のNYダウの値下がり幅はどのくらいだったんだろう?週明け日経の2000円以上の暴落の理由は
アメリカの雇用統計を受けて、NYダウが一時900ドルを超える大幅な値下がり。円高も加速し、市場では景気減速への警戒感が高まっています。FRBの利下げ期待が高まる一方で、投資家は景気後退を懸念しているようです。
NYダウ900ドル超えの大幅下落!円高も加速、アメリカ経済に減速の兆しか?
2日のニューヨーク株式市場は、発表されたアメリカの雇用統計を受けて、景気減速への警戒感が高まり、ダウ平均株価は一時900ドルを超える大幅な値下がりとなりました。
雇用統計では、就業者数の伸びが市場予想を大きく下回り、失業率が4か月連続で上昇したことが懸念材料となりました。この結果、投資家はFRB(連邦準備制度理事会)が利下げのペースを早める可能性を意識し、ドルを売って円を買う動きが強まりました。円相場は一時、1ドル=146円台半ばまで値上がりし、約4か月半ぶりの水準となりました。
市場関係者は、インテルの株価急落など企業業績の先行きへの懸念も、投資家のリスク回避姿勢を強めている要因の一つだと指摘しています。
アメリカ経済は、高い金利の中でも堅調な状況が続いていましたが、最近では減速の兆しが見られています。ISM(供給管理協会)が発表した製造業の景況感指数は、4か月連続で50を下回り、新規受注の低迷などが要因とされています。また、7月の雇用統計では失業率が4か月連続で上昇し、企業が景気先行きへの警戒感から求人を減らしていることが原因と考えられています。
こうしたアメリカ経済の減速背景には、個人消費の鈍化があると考えられています。コロナ禍では、政府による給付金によって家計貯蓄が増加し、旅行や外食などのサービス消費が活発化していました。しかし、その貯蓄は減少傾向にあり、一部の世帯では財政難が深刻化している状況です。一方、旅行需要は依然として好調で、株高による資産効果が影響しているともみられています。
ダウ平均株価の大幅下落について、ニューヨークの金融市場調査会社「ハイ・フリークエンシー・エコノミクス」のチーフエコノミスト、カール・ワインバーグ氏は、FRBが経済成長に懸念を持ち始めている状況下で、発表された経済指標が弱かったことが要因だと指摘しました。ワインバーグ氏は、今のところ景気後退は迫っていないものの、投資家は高すぎる政策金利の長期化が経済に悪影響を及ぼすことを懸念していると述べています。
FRBが来月にも利下げに踏み切るとの見方が強まる一方で、投資家は利下げが遅すぎることを懸念し、利下げが景気後退を回避できるのか不安視しています。
アメリカの雇用統計発表後のNYダウの大幅下落は、市場に衝撃を与えました。景気減速への懸念が強まり、円高も加速するなど、世界経済への影響は無視できません。
FRBの利下げ期待が高まっている一方で、投資家からは利下げが遅すぎるのではないかという懸念も聞かれます。利下げは経済の活性化に役立つ一方で、インフレ抑制に悪影響を与える可能性もあります。FRBは今後の経済状況を慎重に見極め、適切な金融政策を決定する必要があるでしょう。
個人消費の減速は、アメリカ経済にとって大きな課題です。コロナ禍で積み上がった貯蓄が減少傾向にあることや、一部世帯における財政難の深刻化は、消費意欲の低下につながる可能性があります。政府は、家計の経済状況を改善するための対策を講じる必要がありそうです。
今回のNYダウの大幅下落は、世界経済の不確実性を改めて示すものでした。今後の経済動向を注視していく必要があり、投資家もリスク管理を徹底する必要があるでしょう。